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 地域で働く会社員や企業経営者が集まり、子どもたちに働く喜びや楽しさを伝える職業体験イベント「未来スクール」が3月27日、和歌山市七番丁の伏虎中学校で開かれ、小学生~高校生約200人が参加した。企画した県専修学校各種学校協会監事の山本理恵さんは「子どもたちは夢中になって授業に聞き入り、積極的に質問もしていました。自分のやりたいことや興味に一歩踏み出すことができれば、自分の道を切り開く力になります」と目を細めていた。

 地元で働く人と直接ふれあうことで、子どもたちに夢を具体的に描いてもらい、将来和歌山で働く人を増やそうと2014年に始まった。

 中谷医科歯科病院の中谷匡登(まさと)院長は、外科手術で行う傷口の縫合を紹介。初めに鶏肉を使って実演し、結び方を説明した。子どもたちは机に固定した2本のひもで練習した。中谷さんは「病院だけでなく、海外や離島の医療が不足している地域、スポーツ選手の体調管理など様々な場面で働くことができる職業です」と語った。受講した福井春陽(はるひ)くん(小3)は「ひもを結ぶのが難しかったけれど、最後にはできるようになってうれしかった。本が好きなので本屋さんの授業も受けました」とにっこり。

 このほか、弁護士事務所、ホテル、新聞社など20社が体験授業を行った。美容師の授業を受けた佐藤成海ちゃん(小2)は「カラーパーマの知らなかった方法を教えてもらいました」と目を輝かせていた。

 講師が普段読んでいる本を紹介するコーナーも開設。子どもたちは専門書ながら真剣な表情で目を通していた。

(ニュース和歌山2016年4月2日号掲載)