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 熊本地震の発生により住宅の安全性への関心が高まる中、県内自治体で耐震診断、改修への補助受け付けが間もなく始まる。5月を耐震改修促進強化月間とする和歌山市と紀の川市が9日(月)、海南市は16日(月)からで、岩出市は随時受け付け中。県建築住宅課は「生命、財産を守るため、早めの耐震改修もしくは建て替えを」と呼びかける。

 県内住宅の耐震化率は現在75%程度。県全体で3月末までに85%を目標に取り組んでいたが、到達していない。

 県内市町村では、2004年から木造住宅の無料耐震診断、05年から耐震性強化への改修補助を始めた。和歌山市ではこれまで、約3500戸が診断を受けた。大半は基準が強化された1981年の建築基準法改正前に建てられたもので、耐震不足と診断されたのは3300戸にのぼる。

 しかし、実際に改修に至ったのは、強度不足と診断されたうち、5分の1以下の600戸余りに過ぎない。東日本大震災の翌年は改修が100戸を超えたが、以後はそれほど伸びていない。

 このため、一昨年には建て替え工事に、昨年は耐震ベッド・シェルターにも補助を始めた。建て替えは2年間で41件の利用があったものの、ベッドは2件だけでシェルターはなし。特に、シェルターについては、県内いずれの市町村でも利用がなかった。

 和歌山市の場合、建て替えや新築が他市町村より多いため耐震化率は78%にのぼるが、それでも目標には届かなかった。熊本地震では古い住宅の倒壊が多く耐震化は緊急課題だが、高齢化率が高い地域などでは遅々として進んでいないのが実状だ。

 耐震診断は各市とも無料。改修と建て替えは設計費込みで最大114万3000円、耐震ベッド・シェルターは最大26万6000円の補助がある。

 詳細は、和歌山市建築指導課(073・435・1100)、海南市都市整備課(同483・8480)、岩出市都市計画課(0736・62・2141)、紀の川市都市計画課(0736・77・2511)。

写真=壁に筋交いを入れて、耐震補強