16050789_engeki

 自分たちの見たい劇団を招き、観劇会を開いてきた和歌山演劇鑑賞会が発足50周年を迎えた。これを記念し、過去に上演した344作品の中から36作品のポスターを選び、和歌山市役所1階市民ギャラリーで5月13日(金)まで展示している。代表幹事の神崎務さんは「和歌山で演劇文化の火を半世紀守り続けてきました。今回の展示ではそんな思いを伝えるとともに、1人でも多くの演劇ファンが増えてくれれば」と期待する。

 1966年発足の同会は、会員からの会費で運営する非営利の会。最近は年6回の観劇会を実施する。

 緒形拳主演「王将」(77年)、山本学、大空真弓らが出演した「罠」(87年)、樫山文枝の「おはなはん」(94年)…。「亡くなられた名優、現在も活躍中の役者さんが出演した芝居を中心に選びました」と神崎さん。杉村春子、江守徹らが名を連ねた「華岡青洲の妻」(87年)、米倉斉加年(まさかね)、北林谷栄による「熊楠の家」(95年)といった和歌山を舞台にしたものも並ぶ。

 展示するポスターを厳選する中で思い出されたことは多い。神崎さんの心に残るのは、87年の「おんにょろ盛衰記・三年寝太郎」だ。翌年、亡くなった名優、宇野重吉が出演した作品で、「すでに体調はかなり悪かった。舞台袖では酸素吸入器を使うほどでしたが、いざ舞台に上がると体調の悪さはみじんも感じさせませんでした」と懐かしむ。

 午前8時半~午後5時15分(木曜は7時)。土日休み。なお、次の観劇会は6月17日(金)、18日(土)に和歌山市民会館大ホールで開く、加藤剛、頼親子共演の「先生のオリザニン」。同市出身の有馬理恵も出演する。詳細は同会(073・433・1151)。

(ニュース和歌山2016年5月7日号掲載)