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 外国人観光客に和歌山の歴史を知ってもらおうと、和歌山市吹上の県立博物館は4月、展示物を紹介する音声ガイドに多言語版を取り入れた。学芸課の竹中康彦課長は「高野山や熊野古道など県全体の歴史を俯瞰(ふかん)できる常設展を巡り、和歌山に興味を持ってほしい」と期待している。

 同館の音声ガイドシステムは一般編と上級編の解説文を学芸員が考え、職員や大学生が読み上げる。関係者による手作りは全国でも珍しく、竹中課長は「展示企画者の意図が色濃く反映できるのが特徴」と胸を張る。

 これまで、外国語での案内としては説明板に英語表記を取り入れ、2015年3月に英語と中国語のパンフレットを作成した。いずれも外国人に好評で、今回、文化庁の補助で、翻訳と各言語を母語とする人の読み上げを業者に依頼し、英語、中国語、韓国語の音声ガイドを用意した。

 原始・古代から近現代までの和歌山の歴史を紹介する常設展でコーナーごとに説明。「縄文時代」や「参勤交代」など日本史の基礎用語を知らない外国人に分かるよう言葉を補い、1時間で回れるよう録音した。

 200円。同館(073・436・8670)。

写真=英語と中国語、韓国語で説明する音声ガイド

(ニュース和歌山2016年5月14日号掲載)