16070289_ume JA紀の里と那賀振興局が普及を図る「紀の川梅干」を知ってもらおうと、同振興局は6月20日、岩出市高塚の那賀高校で梅加工体験の授業を行った。地域の文化にふれる総合学習の授業で、2年生30人が参加。指導した紀の川梅干振興協議会の衣笠貴美代副会長は「地元でとれた食材に少し手を加えれば、簡単にできる。手作りの食べ物が一番おいしいと気付いて」と笑顔を見せていた。

 紀の川梅干は、紀の川市と岩出市産の完熟させた梅を使い、塩と砂糖だけで漬けるのが特徴。皮が薄く肉厚で、塩分控えめのまろやかな味に仕上がる。2005年に那賀地域の生産者らが商品化し、JAの産直店で販売するほか、公民館や学校で出前授業を開くなど普及に力を入れている。

 授業では、衣笠さんらが県内の梅の生産量や紀の川梅干の特徴を説明した後、生徒が梅干し作りを体験。赤く色づいた梅をよく洗い、塩と砂糖をまぶして桶(おけ)に詰め込んだ。「通常の梅干しより塩が少ないので、洗ったら水分をふき取り、殺菌処理を徹底しましょう」と衣笠さん。

 H組の前田大志さんは「初めての体験。全部手作業だったので大変」、B組の瀧本弥芳(みほ)さんは「地元なのに紀の川梅干を知らなかった。殺菌処理など勉強になりました」とにっこり。

  那賀振興局農業水産振興課の森博子さんは「核家族化で最近は梅干しを作らない家庭が多くなっています。知識として持っておき、地元の食材を身近に感じてもらえれば」と話していた。

(ニュース和歌山2016年7月2日号掲載)