160723_rakugo 小説家、夏目漱石の没後100年を記念した講演会「漱石と落語」が8月13日(土)午後1時半、和歌山市西高松の県立図書館2階で開かれる。漱石と落語についての講演後、漱石が好んだ演目を上方落語にした『莨(たばこ)道成寺』を桂九雀が披露。主催する和歌山漱石の会の梶川哲司さんは「全国で他にはない試み。漱石ファン、落語ファン共に楽しめる内容です」と胸を張る。

 大阪の天満天神繁昌亭支配人、恩田雅和さんが主宰する同会は、漱石が1911年8月に来和したことから、100年後の2011年以降、毎年夏にシンポジウムを実施。今年は漱石の没後100年、来年は生誕150年として、全国の愛好団体が記念年実行委員会を発足させ、各地で講演会が開かれている。

 寄席好きで、落語家について論じた小説や談話を残した漱石。作品には落語を踏襲した笑いのスタイルが盛り込まれている点や、落語家の三代目柳家小さん、初代三遊亭円遊について書いた小説『三四郎』にスポットを当て、恩田さんが解説する。

 また、談話『みづまくら』の中で、「小さんの煙草(たばこ)を呑(の)む稽古の話は大変面白かつた」と小さんの演じる『煙草好き』を評価したのを受け、上方落語に改作した『莨道成寺』を九雀が聞かせる。恩田さんは「今ではだれも演じることのなくなったこの落語を、九雀さんが道成寺ゆかりの地、和歌山で披露するのにご注目ください」と呼びかける。

 500円、当日800円。定員150人。県文、市民会館で販売。希望者は梶川さん(0736・63・0977)。

 写真=漱石にまつわる本を手にとる梶川さん

(ニュース和歌山2016年7月23日号掲載)