トルコで現地時間7月15日夜に起きたクーデターの影響を受け、イスタンブールで開かれていたユネスコの世界遺産委員会が一時中断し、会期を短縮したため、予定されていた「紀伊山地の霊場と参詣道」の追加登録の承認が10月の臨時会合に持ち越された。

 追加登録に向け、和歌山県や地元住民らは現地調査や文献整理を進めていた。6月に世界遺産委員会の諮問機関ICOMOSが追加登録を承認し、新たに11・1㌶、40・1㌔が加わる予定だった。

 しかし、トルコ軍の一部がクーデターを起こし、16日の委員会は中止に。17日に再開し、東京の国立西洋美術館を含む「ル・コルビュジエの建築作品」などの新規登録が決まったものの、紀伊山地の霊場と参詣道の追加登録は持ち越された。

 和歌山県文化遺産課は「観光関係では登録記念式典やイベントを予定していたため、落胆は大きい。10月に期待します」と話している。

(ニュース和歌山2016年7月27日号掲載)