NOBBYさん発案 きょう、あす 10ヵ国400人集結

160806_nobby ストリートダンスのうち、スピード感ある動きから突然静止してポーズをとる「ロッキング」の世界大会「ファンキックス」が8月6日(土)と7日(日)、和歌山市梅原のノーリツアリーナで開かれる。発案したのは、同市にダンス教室を構え、世界大会でも活躍する現役ストリートダンサー、NOBBYさん(30、写真)。ロッキングに特化した世界大会は日本初で、NOBBYさんは「現役プレーヤーだからこそできるイベントを世界へ発信したい。世界の素晴らしい踊りに刺激を受け、次の世代に和歌山から世界を目指すきっかけにしてほしい」と望んでいる。

 「人に感動を与え、しかも目立てる」と中3でダンスを始めたNOBBYさん。高校卒業後の2004年にグループを立ち上げ、和歌山城でイベントを開くなどダンスシーンを盛り上げ、支えてきた。南海和歌山市駅前や片男波で練習していたが、10年、ぶらくり丁にダンススタジオを開設。地域活性化に向けた活動が評価され、13年に県の文化奨励賞を受賞した。現在は小学生を中心に幼児~主婦400人を指導する。

 現役ダンサーとしても世界大会へ積極的に挑戦。10年にドイツで開かれた大会でベスト4、今年3月にはフランスの大会で世界一に輝いた。

 トップダンサーと切磋琢磨(せっさたくま)する中で気付いたのは、ダンスが好きな気持ちに国境はないということ。振り付け、音楽、ファッションと、全く異なる価値観とダンスに対する姿勢を持つ人々が、踊りを通じて分かち合える感動を肌で感じた。

 「世界大会を開こう」。関西のダンサーに呼びかけ、昨春、実行委を結成。約40人で開催費用と参加者集めに奔走(ほんそう)した。那智勝浦町出身で大阪で活動する実行委員長のHANAIさん(40)は「同郷のNOBBYと企画した世界を巻き込んだイベントです」と笑う。

 特別ゲストに、ストリートダンスが誕生した1970年代から踊られてきたジャンル「ロッキング」を生み出したアメリカ人のスクー・ビー・ドゥさん(64)を招待。NOBBYさんは「ストリートダンスという文化の創始者と言っても良い存在。生でダンスを見て、歴史を聞き、文化継承にもつなげたい」。

 今回の大会は、スクー・ビー・ドゥさんら〝レジェンド(伝説)〟と言われるダンサーが審査し、パフォーマンスも披露する。世界10ヵ国、400人が技を競い、その中から4人を選出。世界のトップダンサーとして選抜した12人と計16人がトーナメントで対戦する。NOBBYさんは「1対1のダンスバトル。勝ち進むにつれて会場の熱気が高まり、決勝は最高潮を迎える」と魅力を語る。

 出場する和歌山市のカーキーさん(23)は「優勝を狙いますが、多くの人の記憶に残るダンスをしたい」、中学生の風花さん(14)は「海外のあこがれのダンサーの前で踊れるのがうれしい。悔いのないよう力を出し切ります」と練習に余念がない。

 NOBBYさんは「3、4年に一度大会を開き、第一線で活躍する人のレベルを感じる機会を提供したい。都会に出ないと夢は叶わないと思っている人に、地元にいても実現できると感じてほしい」と力を込めている。

 午前10時(7日は11時)~午後8時。2日間で7000円。7日正午からスクー・ビー・ドゥさんによるワークショップがある。ファンクバンドのライブや地元飲食店10店による出店も。ワークショップは申し込み不要で無料だが、入場料が必要。事務局(073・460・0036)。

(ニュース和歌山2016年8月6日号掲載)