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 「甘辛亭ちきん」こと岩出市立中央小学校4年の坂井俊介君が7月30日、31日に宮崎県で開かれた「ひむかの国こども落語全国大会」で最優秀賞に輝いた。初出場での快挙に、「受賞は今も信じられない。これからも笑顔で高座に上がりたい」と喜んでいる。

 坂井君は2年生の時、母親の真智子さんのすすめで市民落語グループ「わかやま楽落会」のワークショップへ参加。毎月1回、県立図書館で練習に励み、イベントで積極的に披露する。「おじいちゃん、おばあちゃん、みんなが喜んでくれるのが一番うれしい。反応があるとうまく演じられます」
 今回は、昨年から取り組む「平林」で事前審査を通過し、30日の予選へ。31人の中から決勝に上がる4人に選ばれ本番に臨んだ。

 「平林」は漢字の読めない丁稚(でっち)が主人から平林さんに手紙を届けるよう言われ、「たいらばやし」「ひらりん」と四苦八苦しながら探す話。プロの演じ方を参考に、真智子さんとアレンジし、1年かけて挑んだ。

 とびきりの笑顔で高座に上がり、鳥が羽ばたくポーズであいさつするのがちきん流。本番では焦らずゆっくり8人の登場人物を演じ分け、審査員から「間がきちんと取れている」「速くなりがちな子が多い中、9分かけて演じたのはすごい」と高評価を受けた。

 真智子さんは「引っ込み思案で恥ずかしがり屋な性格だったので、何か自信がつけばと始め、最近は表情がとても柔らかくなりました」と目を細めている。

写真=満面の笑顔で落語を披露する甘辛亭ちきん君

(ニュース和歌山2016年8月13日号掲載)