県身体障害者連盟が視聴覚障害者支援のため運営してきた和歌山市駿河町の和歌山点字図書館と聴覚障害者情報センターが来年4月、同市手平のビッグ愛に移転する。両施設は県立施設となり、運営には指定管理者制度が導入される。

 点字図書館は1952年開設で、79年に同連盟が建設した県身体障害者総合福祉会館に入った。約3万の点字や音声、デジタル図書を抱え、年間延べ1万4000人が利用する。音声で状況を説明するバリアフリー映画の上映会を6年前から開催。文章を点字にし、読み上げる点訳、音訳ボランティアの養成も行う。

 聴覚障害者情報センターは同会館に2000年にオープン。字幕や手話付きビデオの貸し出しや、聴覚障害者向けテレビ番組「目で聴くテレビ」用に和歌山を紹介する番組制作を行う。また、手話通訳者、要約筆記者の養成に取り組む。

 県内には、視覚障害者が3600人、聴覚障害者が6200人おり、両施設はそれぞれへの情報提供を担ってきた。移転は同会館の耐震性に問題が出たことがきっかけ。県障害福祉課は「移転を機に、障害者の社会参加、自立支援を一層進めるため、支援ボランティア養成に力を入れたい」と語っている。

(ニュース和歌山2016年9月17日号掲載)