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 ひな人形生産量日本一の埼玉県。南部にある川越市の魅力を世界へ発信しようと、同市の若手経営者らでつくる「川越スタイル倶楽部」のメンバー6人が2月26日~28日、紀州海南ひなめぐり開催中の海南市を訪問し、ひなめぐり実行委員長の東美智さんとまちづくりについて意見を交わした。

 同倶楽部代表を務める日疋好春(ひびき・よしはる)さんの曾祖父、日疋信亮氏は黒江出身で、1934年に3町1村が合併し、海南市が発足した際に大きく貢献した人物。そんな縁から、今回の訪問が実現した。

 意見交換では、東さんがひなめぐり開催の経緯を説明し、「海南が大好きで、何とか人を呼び戻したいと始めたイベント。行政の補助金に頼らず手弁当で続け、1回目70ヵ所だった展示場所は7回目の今年、150近くに増えました」と話した。同倶楽部メンバーで、ひな人形や五月人形を取り扱う泰玉スガ人形店専務の須賀栄治さんは「海南駅前商店街はどこもかしこも人形で驚きました。他府県のひなめぐりイベントでは屋外の階段などに野ざらしで並べられているところもありますが、こちらは各店の中で、大事に飾られているのが伝わってきます」。

 また、須賀さんは、伝統ある紀州漆器、菓子の神様をまつる橘本神社があり、鈴木姓発祥のまちでもある海南に、「いろんなもので売り出せるはず。のこぎりの歯状の町並みが特徴の黒江も車が入れない道幅が散策にちょうど良い。大きな可能性があるまち」と語った。

 同倶楽部一行は滞在中、漆器の工房を見学し、漆器業者とも協議。今後、ひな人形と漆、両地域の特徴を生かした新製品づくりを検討していく。

写真=海南駅内の千体雛前で語る東さん(左)と須賀さん

(ニュース和歌山より。2017年3月8日更新)