医師と看護師を乗せ、遠方の患者の元へ駆けつける救急医療用ヘリコプター、ドクターヘリ。和歌山県のドクターヘリが出動回数5000回を超えたのを記念し、活動見学会が3月26日(日)午後2時、マリーナシティ駐車場で開かれる。

 「空飛ぶ救命室」とも呼ばれるドクターヘリ。車で救急病院まで運ぶのに時間がかかる医療過疎地を山間地に多く抱える和歌山で、救命率向上のため、県が2003年に導入した。

 普段は和歌山市紀三井寺の県立医科大学附属病院屋上にあるヘリポートに待機し、消防機関の要請があった場合、現場へ向かう。時速200㌔で飛行でき、高野山までは12分、白浜は20分、新宮や串本も30分で到着可能。人工呼吸器や緊急気道確保セット、超音波診断装置などを備えており、病院に運ぶまでの間も医師がヘリ内で処置できる。

 11年9月の台風12号時にはドクターヘリを使い、紀南地方の被災地へDMAT(災害医療支援チーム)を早い段階で運んだほか、土砂崩れで孤立した集落へ20回以上出向くなど活躍した。出動回数は昨年10月、5000回に到達し、今年2月末時点で5160回を数える。

 見学会では、ドクターヘリが降りる際、砂ぼこりが舞い上がらないよう、着陸場所に水をまくところから始め、医師と看護師が救急車からヘリへ運ぶところまでを実演。同病院は「患者が病院へ搬送されるまで、ヘリと救急車が現場でどのように連携しているかを知る機会です」と話す。

 無料。申し込み不要。機内見学もできるが、小学生以下のみ。先着300人に記念のマグネットを贈る。雨天、強風時は中止。また当日、ドクターヘリの出動要請があれば、ヘリが戻るまでの間、消防車両の見学を実施。県立医科大学附属病院(073・447・2300)。

写真=出動5000回を超えたドクターヘリ

(ニュース和歌山より。2017年3月22日更新)