ボーイスカウト和歌山県連盟で67年にわたり活動を続ける山本一郎連盟長(81)に、日本連盟から最高功労章の「きじ章」が贈られた。和歌山では初。10月14日(土)の祝う会を前に、「ボーイスカウトの経験は社会生活で役立つ。今後も活動を充実させたい」と意気込む。

 スタートは西脇中学校2年だった1949年。「アメリカと関係があるから、チョコレートをもらえるかも」と海草第1隊に入隊した時だ。「海や山での活動に、すぐ夢中になりました」

 和歌山大学入学と同時に指導者となり、2年生で副長に。子どもたちが目をキラキラさせながら「今日は何をするの?」と楽しみにする姿にやりがいを感じた。

 卒業後も仕事と両立し、81年に全国最年少の45歳で県連盟理事長に就任。同時に日本連盟役員も引き受けた。和歌山では県内にある団の委員長が一堂に会する研修会を、全国に先駆け企画。日本連盟では手薄だった運営や広報をテコ入れした。

 ボーイスカウトは、リーダーを中心に協力し、目標を定め競うことを重視する。山本さんはこれに加え、自ら進んで人助けをする気持ちとその技術、また、健康な体を持つことを掲げ、実践してきた。

 きじ章はこれまで、天皇陛下、皇太子殿下をはじめ、中曽根康弘元首相、ホンダ創業者の本田宗一郎さんらが受章。今回2人が加わって国内外で99人になった。

 受章を機に山本さんは、減少を続ける団員の増加に向けPRを強化する。和歌山では最盛期に2500人いたが、今は900人ほど。「まず1000人に増やした上、新たなリーダーを育成する」と次世代の発展を願っている。

写真=受章を喜ぶ山本さん

(ニュース和歌山/2017年10月11日更新)