和歌山市青年団体協議会 7度目の東北訪問

 東日本大震災の被災地、宮城県石巻市の住民と交流する和歌山市青年団体協議会のメンバー5人が昨年12月29、30日、現地を訪れた。2011年から毎年末に行っており7回目。同協議会の高垣晴夫さんは「報道が減り、震災の記憶は薄れつつありますが、活動を続けることに意味がある。『震災を忘れない』というメッセージを被災地の内外に届けたい」と話している。

 11年、高垣さんの石巻に住む友人へストーブを届けたのが始まり。12年からはみかんを満載した車で訪れ、現地でレクリエーション「みかん狩り運動会」を開いている。

 石巻市門脇の上釜会館に小学生~70代の約70人が集まった。まず、おたまでみかんを運ぶリレー。手を添えて一度に2つ運ぶ人や、途中で落として転がるみかんを追いかける人など盛り上がった。次に、積み上げたみかんの高さを競う種目。形の良いものや大きな実を探し、神経を集中させていた。最後は、ざるに盛ったみかんを狙う輪投げを楽しんだ。

 参加した木村和裕さんは「街ににぎわいは戻ってきましたが、生活再建のために借金ができたり、今も家族が見つかっていなかったりと、精神面の復興はまだまだ。毎年欠かさずこうして来てくれるのは本当に励みになります」と喜んでいた。

 一行はこの後、現地の地方紙、石巻日日新聞が運営する資料館「絆の駅 石巻ニューゼ」や、地区全体が津波に流された名取市の閖上(ゆりあげ)地区にもみかんを届け、親ぼくを深めた。

写真=みかんをおたまで運ぶリレーを楽しんだ

(ニュース和歌山/2018年1月13日更新)