和歌山市の事業所が発信

 赤い板に白十字とハートマーク。障害や病気が見た目に分かりづらく、周囲に配慮や援助が必要なことを示すヘルプマークだ。2012年に東京都が作成し、全国の自治体が導入しているが、市民にはなじみが薄い。このマークの周知を図ろうと、高齢者や障害者のデイサービスを行う和歌山市布施屋の「はっぴー&はーとⅢ」は独自にマークをPRしている。

 ヘルプマークは、義足がズボンで見えない人、耳が不自由な人、ペースメーカーが体内にある人などを対象に、県や各市町村が交付。和歌山は16年、全国3番目に導入し、これまで1561枚配られている。

 同施設は、マークの認知度が高まれば、利用者の通所時の安全性、地域での暮らしやすさが向上すると考え、昨年から普及に取り組んでいる。利用者の10人が常にマークを身につけ、外出先や周りの人に説明。勉強会も開くほか、街頭啓発活動に職員や利用者が協力し、段ボールや画用紙で手作りした巨大なヘルプマーク(写真)でPRする。

 3年前に交通事故で両足が義足になった松浦洋一さんは「こけやすく、人混みの中で身体が当たるとバランスを崩してしまいます。ヘルプマークを付けているので、気付いてほしい」。中出光男施設長は「認知症の高齢者も気づいてもらいにくく、徘徊(はいかい)している時にマークがあれば声をかけてもらえる。助け合いの心を和歌山から発信できれば」と話す。

 マークの申請は和歌山県障害福祉課(073・441・2531)。

(ニュース和歌山/2018年1月24日更新)