いよいよ2月9日(金)に開幕が迫った平昌冬季オリンピック。和歌山県関連では、和歌山市出身の田原直哉選手(37)がスキー競技エアリアルに、海南市のタカショーに所属する坂爪亮介選手(27)がスケート競技ショートトラックに出場する。

 

エアリアル 田原直哉選手〜体操から転向し夢舞台へ

 田原選手は体操競技からエアリアルに転向した異色の選手だ。体操選手としてもナショナルチーム入りするほどの実力だったが、右肩の筋断裂を負い断念。2006年、たまたまトリノ五輪の中継で見たことのあったエアリアルに転向した。体操で培った空中感覚を生かし、これまで全日本選手権を4度制している。

 ここ4年間は、長野の宿泊施設に居候。合宿や遠征以外はアルバイトしながらトレーニングに打ち込む。そんな中でも続けてこられたのは、「04年のアテネ五輪体操競技で、同年代の仲間たちが団体金メダルを取ったことが大きい」。共に打ち込んだ選手たちの頑張りが刺激となり、五輪への思いを深めた。

 今シーズンはワールドカップ6試合中、3試合で予選上位12位以内に入って決勝へ駒を進めた。このうち、1月20日に行われた最終6戦目は3位で表彰台に上がった。「上り調子で、戦えることは証明できた。平昌ではトップ20の選手のうち、だれが表彰台に上がってもおかしくない。当日、調子が良かった選手がメダルを取る」

 磨き上げた最高の3回転4回ひねりを、平昌でぶつけることだけに集中する。「ここまできたら出るだけで終わりでなく、メダルを持って帰ってきたい」

写真=1月25日、仁坂知事を表敬訪問した田原選手

 【男子エアリアル日程】予選…2月17日(土)▽決勝…18日(日)

 

ショートトラック 坂爪亮介選手〜一番いい色のメダルを

 群馬県出身の坂爪選手は全日本選手権総合優勝、アジア冬季競技大会500㍍銅メダルなどの実績を持つ。日本体育大学卒業後の12年にタカショーへ。五輪出場は14年のソチに続いて2回目となる。

 ここ2年間は、ショートトラックの強国、韓国で練習してきた。「韓国で自分の基盤をつくることができ、今の自分がいる。その韓国での五輪、アウェー感はあまりなく、むしろホームみたいな感覚があり、有利だと感じています」

 平昌では500㍍、1000㍍、5000㍍リレーの3種目に出場予定。「リレーメンバーでは最年長。戦術面でみんなと話し合い、工夫しています。五輪ではその力を発揮し、メダルを持ち帰ることがミッションだと思っています」

 1月25日、和歌山県スケート連盟が東京で開いた壮行式で、タカショー社員のメッセージが入った日の丸を贈られた。高岡伸夫社長は「どんな状況でも負けない心で挑み、夢と感動を贈ってもらいたい」。坂爪選手は「和歌山の企業に所属し、和歌山に行く機会が増えた。たくさんの応援でパワーを受け取ったので、メダルを取って皆さんの前に戻ってきたい」。目指すメダルは「もちろん、一番いい色です」。

☆ショートトラック…1周111㍍のトラックで、同時に4~6人の選手が滑り、順位を競う。

 【男子ショートトラック日程】1000㍍予選、5000㍍リレー予選…2月13日(火)▽1000㍍決勝…17日(土)▽500㍍予選…20日(火)▽500㍍決勝、5000㍍リレー決勝…22日(木)

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 田原選手と坂爪選手の平昌五輪出場を記念した展示が2月26日(月)まで、和歌山市本町のフォルテワジマ3階で開かれている。ウェアやシューズ、スキー板、ヘルメットなどの関連グッズを展示。午前10時〜午後7時。スポーツ伝承館(073・423・2215)。

(ニュース和歌山/2018年2月3日更新)