小学生が取材、執筆の本完成

 和歌山の小学生が、地元で働く大人たちにインタビューし、まとめた書籍『わかやまの「はたらく」』が3月12日に出版された。和歌山市で子ども向け教室を開くピーターソックスが出版。岡崎大輔代表は「高校生の県外進学率日本一の和歌山は、多くの若者が生まれたまちをきちんと知ることなく都会へ出てしまう。暮らしを支えるかっこいい大人たちを知り、地元に愛着を感じてくれたら」と期待する。

 哲学や英語、将棋、バスケットボールなど様々な教室を開く同スクール。和歌山をテーマにしたトランプやオリジナルおむすびを開発するなど、大人と協力して形にしてきた。社会に発信する授業「こどもラボ」を受講する11人が今回、仕事をテーマにした本の出版に挑戦した。

 昨年9月から、働くことについて考えるワークショップや、興味がある店を探すフィールドワークを実施。フリーライターの前田有佳利さんからインタビュー方法についてアドバイスをもらい、和菓子店や食堂、書店など10店を取材した。

 各店の店主の思いやおすすめ商品、創業年を紹介。作業工程、仕事のやりがいを文章にまとめた。インタビュー中の写真、取材当日の記録として絵日記も盛り込んだ。「子どもたちが感じた驚きや感動が、ストレートな言葉から伝わります」と岡崎さん。

 和佐小3年の山中創喜(そうき)くんは「梅干し屋さんでたくさん種類があることにびっくりしました」、太田小2年の竹中鷹虎(ようご)くんは「自転車を整備するお兄さんがかっこよくて、そこで自転車を買いました。大きくなっても乗り続け、修理に持っていきたい」と笑顔を見せている。

 1296円。B6変形判、47㌻。同市万町の本屋プラグで販売。ピーターソックス(info@petersox.com)。

写真=商店主にインタビューする子どもたち

(ニュース和歌山/2018年3月31日更新)