中畑康代さん ポスターコンクールで3度目の最優秀

 和歌山市梅原のイラストレーター、中畑康代さん(58)が3月、「2018年交通安全ポスターデザイン」(全日本交通安全協会など主催)の一般部門B(歩行者・自転車利用者向け)で、最優秀となる内閣総理大臣賞に輝いた。同時に応募した別の作品も佳作となる2作入賞で、中畑さんにとって同コンクール3度目の最優秀賞を飾った。

 秋に発表される交通安全の標語をもとにしたポスターを募るコンクールで、プロ、アマを問わず多くの応募がある。今回の一般部門Bの標語は「行けるはず まだ渡れるは もう危険」。中畑さんは、信号が点滅する中、渡ろうとする高齢者に大きな赤い手がストップをかける絵を明るい色調で描き、126作品から最優秀を勝ち取った。「最初は少年でしたが、標語を作った人の気持ちを想像し、お年寄りに変えました」と中畑さん。「描くものを最小限にし、最大の効果を目指します。『シンプル・イズ・ベスト』の本当の意味が分かり、デザインが増々面白くなった」と笑う。

 テレビ和歌山制作部などを経て、2001年にデザイン工房・陶ギャラリー「つくりん房」を開設。ロゴやイラストを手掛けつつ、06年から毎年同コンクールに挑戦を続けている。

 昨年は県交通安全協会からの依頼で、「とびだしちゅうい!」の看板、小学1年生の黄色いランドセルカバーのデザインを担当し、町中で中畑さんの絵を目にする機会が増えた。

 受賞作は今後1年、ポスターとして全国で使用される。「自分が蓄えた技術がこういう形で社会や地域に還元され、交通安全に一役買えるのはうれしい」と喜んでいる。

写真=作品を手に笑顔の中畑さん

(ニュース和歌山/2018年4月28日更新)