7月22日(日)告示、29日(日)投開票の和歌山市長選は、現職の尾花正啓市長(65)と、新人の島久美子氏(62)が立候補を表明している(18日現在)。少子高齢化、市街地活性化、統合型リゾートIRの誘致など数ある市の課題から、両氏が重要だと考える政策について尋ね、街の未来像を語ってもらった。(敬称略、五十音順)

公約 ここに力点

──4年間で必ず実現させたい公約の中から、優先度の高いものを3つ挙げてください。

尾花 ①子育て環境、高齢者・障害者福祉の充実、防災対策の強化など、だれもが生涯安心して暮らせる社会を実現します②若者の希望がかなう雇用創出と産業振興③自然・歴史・文化などの資源を生かした魅力あるまちを目指します。

 ①カジノ誘致に同意せず、つくらせません②子どもたちの就学援助制度を、ただちに国基準に改善し増額します③住宅リフォーム助成制度、生活道路の改修などの予算の増額で、地元事業者の仕事をつくります。

──挙げた3つの公約のうち、最優先だと考えるものについて、その理由とポイントを。

尾花 行政の最大目標は子育て・高齢者・障害者など福祉の充実です。「子育て環境日本一」に向けて保育料の無償化、待機児童ゼロ、就学支援拡充、通学時の安全強化などを実現します。超高齢化社会を見据え、地域包括ケアシステムの推進、障害者福祉の充実、公共交通の促進など、だれもが生涯安心して暮らせる社会をつくります。

 カジノをつくらせません。推進側は、一般的なIRにおけるカジノの面積は施設全体の3%だと強調しますが、「売上高では80%以上を稼ぎ出す」(東洋経済)とも言われます。カジノのために、刑法が禁じる博打を解禁し、金の貸し出しまでして、外国人や日本人の人生を狂わせるカジノは和歌山に不要です。

市の未来像

──和歌山市の10年後の未来像は?

尾花 子育て環境、高齢者・障害者福祉が充実し、地震・津波・洪水などの災害に強い、安心・安全なまちです。それを持続できる活力ある産業と、3世代が集い暮らせ、豊かな自然、歴史、文化など世界水準の資源を生かした魅力ある県都、だれもが「住むなら和歌山市」と思える理想郷です。

 地域経済の要であり、多くの市民が働く中小企業や農漁業が活性化し、乗り合いタクシーなど公共交通が実現、また防災対策が拡充され、みんなが安心して働き、住み続けられる和歌山市。そして福祉、子育て・教育、医療などの環境が充実し、多様な市民の幸せを支え、声を受けとめていく和歌山市政が実現していることです。

 

①最近、感動したこと ②一番好きな場所は ③1日、休みがあったら ④一番会いたい人は

尾花氏
①雑賀崎のロケで流しそうめんの準備をする際、自治会、漁協の方などが心一つに活動されていた。町が変わる予感がしました。

②和歌山城、和歌の浦、紀三井寺、加太など。いずれもすばらしい場所で、甲乙つけがたい。同率1位。見た人は分かるはずですね。

③町おこしが成功している各地域を見て回りたい。様々な成功体験が和歌山市にも応用できるため。

④和歌山市を応援してくれる人です。真剣に和歌山市のことを考えて応援してくれているから。

島氏
①街角で出会った小学生に声をかけたら、「平和が続くのがいい! がんばって」と言われたこと。子どもの感性は素晴らしい。

②和歌浦。高校生のころ、よく行っていた場所。友人と語らう時間をやさしく包んでくれた和歌浦の自然は、私の心のふるさとです。

③多肉植物や花と向きあいます。植物を見て、想像力を働かせ楽しむガーデニングの時間は穏やかに人とかかわることにつながります。

④3年前に亡くなった「町工場を経営していた父」です。今回の挑戦を「一人の市民」として力強く応援してもらえるから。

(ニュース和歌山/2018年7月21日更新)