羊毛フェルトを材料に、ペットそっくりの生きているかのような作品を、和歌山市の前田匡美さんが制作している。初の作品展「『うちの子』の記憶を残したい… 『うちの子』にもう一度会いたい…」を8月31日㊎まで、和歌山市祢宜のマニエールで開催中だ。

前田匡美さん 初作品展

 4年前、羊毛フェルトを使った作品づくりの講習会に参加した前田さん。漫画チックなものを作る内容だったが、「愛犬をリアルに表現したい」と、我流で制作を始めた。

 一匹一匹、微妙に異なる毛の色に忠実に染め上げた羊毛フェルトで形を作り、ニードルで一針一針突いて、毛の雰囲気を出す。「染める際は主に染め粉を使いますが、黒や茶色などは人用の毛染めの方が本物に近くなりますね」とこだわりを見せる。

 インターネット上に、インスタグラムやブログで作品を公開したところ、作成依頼が寄せられるように。四方から撮った写真を参考に、1ヵ月以上かけて制作する。

 注文はアメリカ、フランスからもあった。「アメリカでは、重病で回復の見込みがなくなると安楽死させなければ虐待とみなされるそう。作品を送ると、『どこかにあった罪の意識が楽になりました』と感激してくれました。ペットを亡くされた方には、手の感触を思い出してもらえると思います」

 作品展では、金魚、カエルのほか、夫が釣ったタイ、十二支をテーマにしたものも。午前9時〜午後7時。同店(073・477・3155)。

写真上=愛犬PUMA(右)をモチーフにした作品(左)を抱く前田さん 同下=あいくるしい姿を忠実に

(ニュース和歌山/2018年8月4日更新)