松本朱実さん 観察や指導方法 一冊に

 動物教材研究所pocketを主宰する岩出市の松本朱実さんが7月、書籍『動物園教育で子どもたちがアクティブに!~主体的な学びを支援する楽しい観察プログラム』を学校図書から出版した。「動物園でわくわく学べるノウハウを詰め込みました。子どもと同じ目線に立って、大人も一緒に学べる機会につながるはず」と話す。

 各地の動物園で飼育員や学芸員を経験した後、大学院で教育学を学んだ松本さん。東京の多摩動物公園で働いていた時、子どもに「象はなぜ大きいのか」と聞かれたのをきっかけに、進化や暮らす環境へ話題が広がった。「知識伝達型の説明より、子どもの気づきや疑問を出発点に展開すれば、より深い学びにつながると実感しました」

 18年前に和歌山へ移り、和歌山公園動物園のボランティアガイドや、近隣の動物園と紹介方法などについて共同で研究する。同書は、子どもたちの考えに着目して支援する「動物園教育プログラム」をテーマにした松本さんの博士論文を、一般向けに書き直した。

 1、2章は学びの場としての動物園や社会における歴史を説明。3、4章は学習指導要領と動物園で得られる学びの結びつきを紹介した。5~7章は観察のポイントや子どもへの働きかけ方、観察時に使えるワークシートを収録した。

 A5判、212㌻。1620円。宮脇書店ロイネット店、天守閣前のお天守茶屋ほかで販売。動物教材研究所pocketホームページ

(ニュース和歌山/2018年9月15日更新)