八朔や三宝柑、清見オレンジなど和歌山県内で収穫されるかんきつ類21種の名前を手書きし、みかんの形に配置したエコバッグがJR和歌山駅の土産店で人気を呼んでいる。文字を書いたのは、和歌山市楠本のくろしお作業所で働く岡田弘央(ひろちか)さん。同作業所の城喜貴施設長は「岡田さんの真面目で魅力的な人柄が文字に表れています。和歌山土産の定番になってほしい」と笑顔を見せる。

くろしお作業所 岡田さんの字をデザイン

 支援学校を卒業してから30年間、同作業所で働く岡田さん。普段は農作物の袋詰めやシール貼りなど手先を使った仕事をしている。入所時から好きだったのは、自分が買いたい物や行きたい場所を整理するために文字や絵を書くこと。文字を形として捉えた独創的な字が職員の話題になり、同市美園町にあるアートサポートセンターRAKUのスタッフと共に5年前、エコバッグを製作した。

 今年に入り、これに注目したのが当時、JR西日本和歌山支社総務企画課長だった福山和紀さん。新しい土産物を探す中、味のある文字とデザインにほれ込み、9月には同駅で販売を始め、1ヵ月で50枚を売り上げた。「食べ物以外のお土産に需要を感じていた。和歌山にある良い物を知ってもらうきっかけにもなれば」と願っている。

 670円。RAKU(073・427・3316)。

(ニュース和歌山/2018年10月27日更新)