両手で筆を持ち、床に敷いた紙に文字を書き上げる書道パフォーマンス。この時期は文化祭で人気を集めるが、道具は高価だ。紀美野町神野市場の梶谷産業は、モップをアレンジした筆を初心者向けに販売している。梶谷修宏代表は「安価な筆モップで書道のすそ野を広げたい」とほほ笑む。

梶谷産業 ユニーク商品販売

 モップやタワシなど家庭用品の製造を手掛ける同社。筆モップの開発は2011年、書道道具店から「モップで練習している学生がいる」と聞いたのがきっかけだった。書道パフォーマンスは08年に高校生大会が始まり、10年に映画化されるほど注目を集めていた。

 動物の毛を使った国産の大筆は10万円以上にもなる。「初心者や一度きりのイベントで使うには手が出ない」と思った梶谷代表は、モップの糸部分を5段階の長さにカットし、はらいやハネを表現できるようにした。

 2×2㍍以上の用紙に書く中サイズ筆で3000円台と価格を抑え、インターネットで販売。全国の学校書道部のほか、「海外で日本文化を体験してもらいたい」「会社の創立記念祭に」「お店の看板を書きたい」と様々な場を彩る。

 梶谷代表は「学生の作品を見ると『青春っていいな』と思います。今後も書道にまつわる商品を生み出せたら」と話している。

 詳細は筆モップHP。同社(073・495・2172)。

写真=「モップの形状を工夫しました」と梶谷代表

(ニュース和歌山/2018年11月3日更新)