和歌山市中心部の空きビルを賃貸住宅や小規模オフィスに生まれ変わらせ、まちなかに住む人や働く人を増やす賃貸ブランド「タウンメイド」の第1号物件が3月1日、同市十一番丁のJAMビル3階に誕生した。運営する本町アライアンスの岸本千佳さんは「中心部は土地代が高く住む場所が少ないが、一等地にもかかわらずビルの3階以上は空室が多い点に着目しました」と話す。

タウンメイド第1号物件完成

 本町アライアンスは、城善建設の依岡善明社長、和島興産の梅田千景社長ら4人が昨年6月に立ち上げた。不動産オーナーから物件を借りてリノベーションし、入居者に貸す。原則、入居者を決めてから工事するため、オーナーはリスクを抑えられ、入居者は賃貸ながら自由に間取りをデザインできる。

 1号物件は、170平方㍍のフロアに、小規模オフィス4室と1LDKの賃貸住宅を併設。オフィスは月2〜4万円台に賃料を抑え、フリーランスや起業したばかりの人が利用しやすくした。

 住宅部分は若いファミリー向けで、ビルならではの高い天井を生かし、ロフトを設置。家具は既製品を使わず、ホームパーティーを楽しめる3㍍のアイランドキッチンや、ロフトへの階段を兼ねた本棚を備えた。

 今後、賃貸を検討する物件や入居者を募る。岸本さんは「和歌山では郊外の一軒家か駅前のマンションが住居の主流。交通インフラが整い、若い人が開く素敵な店や新しい学校もあるまちなか暮らしの良さ、多様性を知ってもらえれば」と意気込んでいる。

 詳細はタウンメイドHP。 

写真=「広いアイランドキッチンで料理が楽しめます」と岸本さん(左)

(ニュース和歌山/2019年3月13日更新)