人工的に作られた空間を、現実のように感じさせるVR(バーチャルリアリティ)を使い、和歌山の地質を学ぶ授業が3月12日と13日、和歌山市吹上の和歌山大学附属中学校で行われた。

和大附属中 理科でVR活用

 1年生140人が県内の個性的な地形と地質から、大地のなりたちを学ぶ授業。画像は理科の矢野充博教諭が、事前に白崎海岸と志原海岸に出向き、ドローンカメラを使って撮影した。

 ゴーグル型の端末を装着した生徒は、顔を様々な角度に動かしながら、映し出される大きな岩や、美しい海岸の景色に歓声を上げた。D組の原田直和さんは「写真なら視点が決まっているが、VRは立体的で360度、自分が見たいところを見られるので、より地層に興味がわきました」。

 15日には、実際に両海岸を調査。B組の高橋一之助さんは「画像は上空から撮影されたものでしたが、目の前の地層は、想像以上に大きくて圧倒された。VRは自分の目で観察する手助けになった」と声を弾ませた。

 矢野教諭は「事前に地層の全体像をつかんでいたので、現地では細かいところまで観察できた。景色に入り込み、自分の視点で気づきを生めるのがVRの強み。地質を学び、大地と人がつながっていると感じてもらえれば」と話していた。

写真=矢野教諭(右)が作成した画像をゴーグル型端末を使って見る生徒たち

(ニュース和歌山/2019年3月23日更新)