高齢者が気軽に集まれる居場所にと和歌山市田野の坂口邦三さん(94、写真)が5月、「和歌の浦健康クラブ」を立ち上げる。健康を心がけ会話を楽しむ会で、「家に引きこもらず、老後を楽しくすごす一助に」と参加を呼びかけている。

94歳 坂口さん 健康クラブ発足

 戦後、田野で「観潮楼」を設立、和歌山の観光業界をけん引してきた坂口さん。2年前に入院し、妻を亡くした後、することもなく過ごしていた。要介護1で長い距離を歩くのが困難なため、昨年から週3回デイサービスに通う。行く前は抵抗があったが、いざ通い始めると、通所者同士の昼食や会話が楽しく、「いろんな人生があり、改めて世間の広さを感じた。みな集まって話すのに喜びを感じています」。

 そんな中、要介護・要支援認定を受けず、デイサービスに来ない高齢者がかえって自宅にこもり、孤独に過ごしているのが多いと知った。より多くの高齢者に幸福な晩年を過ごしてほしいと自ら会を立ち上げる。

 初回は和歌の浦アートキューブで5月12日㊐午後1時から。健康体操や和歌浦の文化、歴史についての話、またカラオケや思い出話を交わす。当面は月2回開く予定で、「語り合うのは認知症予防になります。余生を健康で楽しく笑ってすごしましょう。各地域にこういう場所ができたらいいですね」と望んでいる。

 無料。希望者は坂口さん(073・444・8284FAX兼)。

(ニュース和歌山/2019年4月27日更新)