世界各国でカジノやホテルを展開するフランスのIR事業者、グループ・ルシアン・バリエールが5月14日、和歌山県がIR誘致を進めるマリーナシティで記者会見を開き、和歌山市に国内初の事業所を開設したと発表した。事業者が県内に拠点を構えるのは初めてで、和歌山県IR推進室は「事業者の公募は始まっていないが、拠点があることで、和歌山らしい提案ができるのでは」と見る。

俳優ジャン・レノさんPR

 1912年創業の同社は、カジノ34軒、高級ホテル18軒、120以上のレストランやバーを展開する。5年前、日本でのIR候補地を探す中、担当者が和歌山を訪問。事業地をマリーナシティに決めた。

 一方、県は昨年7月にIR整備法が成立したのを受け、9月に同室を設置。年間の来場者400万人、経済波及効果3000億円、雇用創出2万人を見込み、最短で2024年に開業する。今後、国の基本方針に沿って、カジノや経済学に詳しい専門家による有識者会議に意見を求めながら整備計画を立て、国が選ぶ国内3ヵ所の認定区域獲得を目指す。

 会見では、既存のカジノで取り組んでいるギャンブル依存対策や、拠点を軸に地元企業と協調して進める方針を発表。同社開発ディレクターのジョナタン・ストロックさんは「関空が近く、豊かな自然や精神性のある高野・熊野をリゾートづくりに生かしたい」。同席した同社ブランド大使の俳優、ジャン・レノさんも「日本や和歌山のために良いプロジェクト。日本の人が誇れるリゾートをつくってほしい」と語った。

写真=会見に出席したジャン・レノさん(右)

(ニュース和歌山/2019年5月22日更新)