男性限定で、和装での参加をルールとするユニークな茶会が2月にスタートする。和真庵茶道教室(岩出市吉田)の代表、梅原宗直さん(33、写真)が、和歌山城にほど近い和歌山市岡山丁の岡公園内にある茶室、岡陽軒(こうようけん)で開くこの催し、その名も〝吉宗茶会〟。梅原さんは「男性のみの茶会は全国でもあまりありません。和文化の楽しみ方を伝えられれば」と意気込んでいる。

茶人 梅原宗直さんが企画

 

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 高校時代まで柔道をしていた梅原さん。紀の川市桃山町にある祖母宅の隣が石州流の茶道教室だったことから、「〝道〟つながりで18歳の時に始めました」と笑顔を見せる。大学在学中、また社会人になってからも続け、27歳で師範の免状を取得した。

 30歳になった3年前、和真庵を開校して独立。弟子を指導する一方、「教室以外でも広げたい」と住宅会社のモデルルームで茶会を開いたり、着物をベースにした衣装でのベリーダンスショーを見てもらった後に抹茶を楽しむイベントを実施したりと、積極的に魅力を発信してきた。

 活動する中で感じたことがあった。「茶道というと一部の人だけが楽しむ敷居の高いもの、とのイメージを持っている人が多いが、意外と触れたことのなかった人から『実は…してみたかったんです』との声がよく聞かれたんです」  新たな取り組みとして考えた吉宗茶会は男性限定。「現在、ほとんどの茶会は女性が中心ですが、千利休も、(茶道をたしなんだ)織田信長や豊臣秀吉もみんな男でしょ?」と笑う。また、京都では着物に帽子やベルトを合わせ、街中でおしゃれを楽しむ60代、70代も少なくないことから、「和歌山にもかっこいい男性が増えてほしい」と着物、浴衣、作務衣(さむえ)など和装での参加を原則とした。

 インターネットの交流サイト、フェイスブックで告知したところ、1週間足らずで20代~50代の15人から申し込みがあった。その一人、小枩(こまつ)明峰さん(42)は「茶道は全くの素人ですが、ふれる機会の少なかった日本の伝統文化の一つを体験することで、静かな時間を感じたいですね」と心待ちにする。

 茶会では抹茶の飲み方、菓子の食べ方、和室での作法、簡単なお点前を1年かけて指導するが、1回だけの参加も歓迎。梅原さんは「物を大事にすること、一つの出会いを大切にすること、人とつながることで宝のようなものが生まれることなど、茶道を通して伝えられることはたくさんあると思います。世代を超えたコミュニケーションの場としていきたい」と張り切っている。

 第1回は2月1日、第2回は22日で、以降は原則毎月第1日曜開催。各日午前10時と午後1時半の2回あり、各回定員20人。抹茶代、茶室代など1回3000円。希望者は和真庵(0736・67・7442)。

(ニュース和歌山2015年1月24日号掲載)