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 「屋上に展望台やプラネタリウムを備えた関西一のビルを」「和歌山城に巨大迷路を」――。和歌山信愛高校(和歌山市屋形町)1年生が1月28日、和歌山市が昨年策定した「まちなか再生計画」をもとに考えた街の活性化案を発表した。

 同校が市と昨年5月から取り組んできた。「まちなかに住む」「まちなかで働く」「まちなかで楽しむ」の3テーマで、273人が42班に分かれ、活性化策を練った。

 この日は、校内の投票で選ばれた9班が、市民ら約400人に説明した。和歌山電鉄貴志川線のたま駅長に着目した班は、たまをモチーフにしたアトラクションや戦隊もののショー、猫とふれあえるカフェが楽しめる「タマパーク」を提案。多くの観光客の誘致が見込めることに加え、施設運営のための雇用増が見込める点を強調した。市街地に家族が楽しめる場の設置を構想した班は、和歌山城とぶらくり丁の間にアスレチック施設を備えたビルの建設を考え、「遊び心があるビルに」と訴えた。

 発表者の一人、小林亜美さんは「和歌山は大阪に隣接して場所が良いので、大阪に人が持って行かれると考えるのではなく、一緒に何かできることを考えた方が良いと思う」、福本樹里さんは「普段は街中に人が少ないと意識したことがなかったけれど、バスで通っていた道を歩いて、やっぱり街に活気がほしいと思いました」と語っていた。

 和歌山大学システム工学部で都市計画やまちづくりを研究する小川宏樹准教授は「高齢者や観光客などターゲットをしぼった提案が多く、いずれもレベルが高かった。特にアスレチックビルの提案は、まちなか再生のキーとなる場所に目をつけていて良い視点だった」とたたえていた。

写真=スクリーンを使って説明する信愛生

(ニュース和歌山2015年2月7日号掲載)