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 島精機製作所(和歌山市坂田)は、ホールガーメント横編み機の新製品「MACH2XS」を完成させた(写真)。各パーツに縫い目がないニット、ホールガーメントのデザインの幅を広げる製品で、同社創業記念日の2月4日、第1号を出荷した。

 1964年に世界初の全自動手袋編み機を開発した同社。その後、横編み機の製造に成功し、95年には世界初の完全無縫製横編み機を発表、デザインシステムとの融合を進めた。

 今回新たに開発した「MACH2XS」は、編み目を押さえつける可動型シンカーを搭載し、従来は技術的に難しかった凹凸のある編みを可能にし、ホールガーメントでより立体的なデザインが実現できるようになった。

 また、糸などの素材の質感をより実物に忠実に再現するデザインシステム「SDS—ONE APEX3」の3Dバーチャルシミュレーション技術と連動させ、糸から製品の生産、販売までを一元化するトータルファッションシステムを確立させた。ニットに特化した世界に例のないシミュレーションシステムで、編み目の大きさから色彩など、より高度に実物に近く表現できるため、サンプルなしで企画、提案ができ、低いコスト、短期間での出品が可能となる。

 同社は「ソフトとハードが一体化したものづくりを提案し、ファッション業界を、感性、情報産業に転換して、ものづくりの改革を強力に進めていく」としている。

(ニュース和歌山2015年2月14日号掲載)