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 省エネや二酸化炭素削減などに熱心な企業を表彰する関西広域連合の関西エコオフィス大賞。今年度、大賞に次ぐ奨励賞に和歌山市西河岸町の資源リサイクルセンター松田商店が選ばれた。工場内をテーマパーク化し、子どもたちが楽しく学べるよう工夫している点が目に留まった。松田多永専務は「9年間、手探りで取り組んできましたが、評価してもらえると自信になる。続けることに意義があると思いますので、今後も工夫を凝らし、環境教育のためのアイテムを増やしていきたい」と張り切っている。

 カン、ビン、ペットボトルのリサイクルなど行う同社は、約20年前から工場見学を積極的に受け入れる。2006年には工場内を改装し、体験型見学システム「くるくるシティ」を開設。自社キャラクターのクルリンちゃんや分別していないゴミから生まれる怪物マゼゴミラなどが登場するアトラクションを通し、子どもたちにゴミ分別の大切さやリサイクルについて学んでもらう。案内役のお姉さんは女性事務員が演劇のプロから指導を受けて担当するなど、子どもを引き込むための努力を惜しまない。

 最近の見学者は県内外から年間4000~5000人にのぼり、テーマパーク化して以降、3万人以上を受け入れた。小学校高学年が中心で、大学生や消費者団体メンバー、会社経営者も多い。松田美代子社長は「今の時代、エコを考えない会社はありませんが、大企業の方も驚かれますね」と目を細める。

 今回、同社以外の受賞は、自社内での省エネや省資源などに取り組む企業ばかり。12日の表彰式では三日月大造滋賀県知事から「松田商店のようなリサイクル工場のテーマパーク化の取り組みが関西に広がれば」との言葉をもらった。松田社長は「見学に来た子どもたちには、最後に『ここで学んだことを家でお父さん、お母さんに伝えてね』と話します。子どもに言われると大人の心に響く。リサイクルの大切さを子どもから発信してゆければ」と話している。

写真=真ん中が今回の受賞に貢献した同社のキャラクターのクルリンちゃん

(ニュース和歌山2015年3月21日号掲載)