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 和歌山市の元小学校校長、稲垣紀子さん(72)、堀憲子さん(68)姉妹が40年ぶりの絵画展「オッキとチッキの姉妹展」を4月23日(木)〜4月27日(月)、同市野崎の緑風舎で開く。大型の具象作品や海外の景色、花などを描いた小品合わせて30点を展示。堀さんは「おっきいお姉ちゃんとちっちゃいお姉ちゃんが転じて『オッキとチッキ』。いつも一緒のニコイチ姉妹です。絵には互いの性格が表れます」と話している。

 2人は同市吹上出身で、幼いころから絵を描いて遊んでいた。弟が生まれたのを機に家族や近所の人から「オッキ」「チッキ」と言われ、今も互いに呼び合う。共に和歌山大学に進学し、小学校教諭の道へ。油絵に親しみ、40年前には「オッキとチッキの花の絵展」を開催した。  稲垣さんは楠見小、堀さんは雑賀崎小の校長を退職後、2人で週1回、洋画教室に通い、本格的に作品制作を再開。昨年から展覧会の準備を進めてきた。

 稲垣さんは興味がわいたモチーフ同士を自由な発想で組み合わせた作風。ウミガメとアンティークの砂時計、蛾(が)を並べた作品は「ウミガメが泳ぐ姿は、ゆうゆうと海の中を飛んでいるように見えた。悠久の時を過ごしているように思い、砂の入っていない砂時計を描きました」。

 一方の堀さんはオウム貝や魚の標本、アンモナイトの化石などから着想を得て、独自の世界を作り上げる。繊細な筆運びと色合いが持ち味で、今春描き上げた100号の大作『太古の記憶』は、関西独立美術展で新人賞に輝いた。

 稲垣さんは「チッキは妹であり、親友であり、ライバルであり、他にはいない存在。同じ環境で育った2人ですが、作品からそれぞれの個性を感じて楽しんでほしい」と呼びかける。

 午前10時〜午後5時(最終日4時)。4月25日(土)午後4時から、稲垣さんの高校時代の同級生でピアニストの杉谷昭子さんによる応援演奏。無料。なお、杉谷さんのリサイタルが同日6時からある(7面に詳細記事)。緑風舎(073・455・2313)。

写真=それぞれの大作を前にする稲垣さん(左)と堀さん

(ニュース和歌山2015年4月18日号掲載)