熊野古道のうち、海南市の藤白坂が「紀伊路」として近々、国史跡に指定される見込み。これを受け、藤白をテーマにした毎月1回の講座が6月にスタートする。主催する藤白神社の吉田昌生宮司は「指定後は観光客の増加が見込まれます。藤白の歴史や文化財について、地元の方に知っていただきたい」と話す。

 同市教委は1月、〝熊野聖域への入り口〟と呼ばれる藤白坂で舗装されていない部分や、藤白神社、鈴木屋敷を含む藤白王子跡、藤代塔下王子跡、一壺王子跡について、国史跡指定を求めて国に答申した。有田市の糸我峠、広川町の鹿ヶ瀬峠と河瀬王子跡を含め、国の文化審議会での議論を経て、今年中に認められる予定。

 藤白講座の1回目は6月7日(日)午後1時、同市藤白の同神社儀式殿で。近畿大学名誉教授の村瀬憲夫さんが「万葉・有間皇子と藤白坂」と題し話す。5月31日締め切りだが先着40人。なお、当面の演題と講師は次の通り。7月12日=「藤白坂について」、市生涯学習課の矢倉嘉人副主任▽8月16日=「藤白神社本殿」、元県文化財センター技師の鳴海祥博さん▽9月20日=「藤白王子権現本地仏」、県立博物館の大河内智之学芸員。いずれも日曜。希望者は同神社(073・482・1200FAX兼)。

 また、同神社の吉田宮司が講師を務める「世界遺産セミナー」が6月14日(日)午後1時、同市日方の保健福祉センターで開かれる。テーマは「世界文化遺産と熊野参詣道─紀伊路」。無料。申し込み不要。県世界遺産センター(0735・42・1044)。

(ニュース和歌山2015年5月23日号掲載)