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 「このきれいな景色、どこか知ってますか?」「ステキなお店を見つけました!」。インターネットの交流サイト「フェイスブック」内で、〝とっておきの地元ネタ〟が集まるグループページ「和歌山の自慢を共有しましょう」が盛り上がっている。立ち上げたのは紀の川市の自営業、栄隆則さん(50、写真この記事の上)。栄さんは「地元の人の発信で、ガイドブックには載っていない本当の自慢が分かる。5000人、1万人とメンバーを増やし、県内全域の魅力を分かち合いたい」と燃えている。

 昨年5月、フェイスブックの利用を始めた栄さん。グループ開設のきっかけは、インターネットで1971年の黒潮国体開会式の動画を見た時だった。「〝104万和歌山県民〟との言葉を聞き、『今は97万人を切っている。こりゃいかん』と、和歌山を元気にしたい気持ちにスイッチが入りました。個人では何もできないが、ネットを使えば世界中に魅力を発信できると考えました」

 フェイスブックには趣味や所属ごとにメンバーを募り、近況や写真を共有するグループ機能がある。これを利用し、8月に「和歌山の自慢を共有しましょう」を立ち上げた。メンバーは次第に増え、5月20日現在で2437人。参加者が自由に投稿することができ、毎日30件ほど話題が上がる。ゴールデンウィークの5月5日は過去最高の58件を記録した。

 和歌浦からのだるま夕日、2つに裂けた波がぶつかるすさみ町恋人岬の夫婦波、お得に買えた勝浦のマグロ…と美しい景色やグルメ情報に、コメントや支持を示す多数の「いいね!」が付く。メンバーの栩原哲子さんは「イベントを投稿で知って実際に足を運んだり、自分が投稿した場所に『行きました』なんて反応があるのが楽しい」とにっこり。

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 自慢を共有する場はネット上だけに留まらない。参加者を募り、実際に県内各地の魅力を体感するツアーを企画。今年2月は加太の鯛を味わい海浜清掃に汗を流し、4月は湯浅でしょうゆ作りを体験した。5月17日には語り部とともに、和歌祭見学を兼ねた和歌浦ツアーを実施(写真 この記事の下)。いずれも20〜40人が参加し、対面を果たした。

 参加した寺本貴未世さんは「『もっと和歌山を知りたい』という共通項があり、実際会っても盛り上がる。『あれいいよ』とご近所でする立ち話をネットでしている感じですね」、別の女性は「和歌山に住んでいながら和歌祭に来たのは初めてで勉強になりました。1人での参加は勇気がいりましたが来てよかった」と満足げ。

 栄さんは「和歌山市の観光の要は加太と和歌浦。この2つを重点的に元気にしたい。活性化ミーティングなどを開き、思いがまとまれば行政とも連携できるのでは」と描く。

 グループはだれでも参加歓迎。6月14日(日)に友ヶ島の見学と清掃イベントを実施。詳細は「和歌山の自慢〜」フェイスブックページの「イベント」欄を確認。

(ニュース和歌山2015年5月23日号掲載)