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 和歌山市の女性イラスト作家、Ruiさんが初めての絵本『だいじょうぶだよ。』(写真)を7月1日、アットワークスから出版した。いじめを受け、不登校になった自らの経験を元に、心が疲れた人に向けたメッセージを詰め込んだ。「できない自分を責めている人は多いと思います。泣いてもいいし、つらいことはつらいでいい。休みながらでも少しずつ前に進む手助けになれば」と願う。

 高校時代のいじめ、就職後は職場での人間関係に苦しんだRuiさんが、この作品を描いたのは3年前。走るのが遅く、料理も苦手、失敗続きのウサギのりょうまが、同じくウサギのモネせんぱい、犬のうめばあちゃんに支えられ、前向きに進むストーリーをスケッチブックにしたためた。

 それを読んだ知人のすすめで、昨年3月、紙芝居風に読み語った動画をインターネット上の動画投稿サイト、ユーチューブに公開したところ、閲覧者は2000人を超えた。「もっとたくさんの閲覧者がいる動画も多く、それに比べればささいな数字かもしれませんが、閲覧者が3ケタいけばいいかなと思っていた私にとっては想像以上でした」。さらに多くの人に読んでもらえる機会をと手直しして出版することにした。

 色鉛筆で描いた絵はやさしさにあふれる。表紙のりょうまは、深い草をかき分けながら、右手をやさしくこちらに差し出している。「『心の支えになるから、この手につかまって』との思いを込めました」とRuiさん。「一人で抱え込んでいる人に、たまには外に出て、自然の空気を感じ、心をリフレッシュさせてほしい。私のメッセージは一ページ一ページに込められたと思います」

 B5変形判、24㌻。1620円。宮脇書店和歌山店とロイネット店、帯伊書店で販売。アットワークス(06・6920・8626)。

(ニュース和歌山2015年7月18日号掲載)