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 特産の鱧(はも)と菓子で海南市の活性化を目指す「鱧の街・菓子の街 海南プロジェクト実行委」は8月25日、菓子の神様をまつる橘本神社(同市下津町橘本)の前山和範宮司を招いて勉強会を開いた。新谷武一実行委員長は「全国でも珍しい神社があるのを再認識し、地元への愛着が深まった。特産のびわやみかんを使った新商品の開発に乗り出していきたい」と話していた。

 実行委は今年4月に設立。京都や大阪の料亭で高級食材として重宝される戸坂漁港の鱧と、菓子にちなんだ伝説がある神社の歴史を生かし、食を通じた海南の盛り上げを図る。生産者や加工業者ら約30人が所属し、鱧と菓子のグループに分かれる。鱧グループは料理人を招いて新しい調理法を研究、菓子グループはこの日の勉強会が活動のスタートとなった。

 前山宮司は、8世紀ごろに垂仁天皇の命を受けた田道間守(たぢまもり)が不老長寿の霊菓として中国からみかんの原種の橘を持ち帰り、同神社の旧社地、六本樹の丘に移植した歴史を紹介。かつて橘の実を煮たり干したりして食べていたのが菓子のルーツであると説明した。毎年4月の菓子祭に、全国から150社近い菓子業者が奉納に訪れていることにも触れ、「少子化が進む現代は、子ども向けだけでなく、年配者にも食べてもらえるような取り組みが必要」と提言した。

 菓子グループの野田智也さんは「兵庫の豊岡にも田道間守をまつっている神社があり、菓子をテーマにしたイベントでにぎわっている。和歌山でも同様のイベントを来年開きたい」と意気込んでいた。

写真=地元に伝わる菓子の歴史を学んだ

(ニュース和歌山2015年9月5日号掲載)