和歌山県立医科大学附属病院(和歌山市紀三井寺)は10月1日、全身性自己免疫疾患のリウマチと膠原(こうげん)病の診療科を新設した。来春には専門のセンターを設ける予定で、藤井隆夫医師は「リウマチや膠原病は、同じ病名であっても患者によって症状や重症度、治療法が大きく異なる。専門医を受診することで、早期治療につながれば」と話している。

 関節の変形や骨の破壊などに陥るリウマチ、血管の炎症や様々な臓器に障害が起こる膠原病。いずれも原因は免疫異常だが不明な点が多い。複数の症状を併発することが多く、患者は皮膚科や整形外科、内科と複数の診療科にかからなければならなかった。和歌山は専門医が26人と近畿で最も少なく、患者から専門科の設置を望む声が以前から上がっていた。

 新設科は、京都大学医学部附属病院リウマチセンターで様々な患者を診てきた藤井医師が担当。重症患者には発症部位の専門医と協力して治療に当たる。来春のセンター設置に向け、医師を増やす計画で、藤井医師は「医師間の連携でより患者の状態に合った治療法を検討できるのに加え、病気の解明にも役立つ。専門医の育成もしていきたい」と描いている。

 外来の受付は10月19日(月)から。同院(073・447・2300)。

(ニュース和歌山2015年10月17日号掲載)