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 毎年5月に和歌浦で開かれる紀州東照宮の例祭、和歌祭の担い手を増やすため、和歌山大学紀州経済史文化史研究所、和歌祭保存会などが連携し10月31日(土)、祭の演目を複数体験できる初めてのワークショップを和歌山市北桶屋町の本町公園で開く。同研究所の吉村旭輝さんは「元々は城下町の各町から出す練り物による渡御行列が特色だった祭。和歌浦だけでなく、市内全体の祭として認知度を高めたい」と意気込む。

 1622年に徳川頼宣が始め、かつて日本三大祭に数えられた。演目別に技を継承する組織「株」があり、株ごとに練習してきたが、近年はメンバーの高齢化が著しく、若い世代への継承が課題となっていた。2010年に復活した演目「唐船」の御船歌を歌う吉村さんが、株が協力することでより多くの参加者を集め、様々な演目を知ってもらおうと、他の株に呼びかけ、ワークショップに至った。

 当日は、雑賀踊、すりがね・太鼓、薙刀振、唐船御船歌、母衣の5演目のメンバーが、午後2時にフォルテワジマ前を出発。アーケード内を練り歩いてPRし、本町公園へ向かう。公園では株に分かれ、歌や太鼓の練習や踊りを体験する。

 和歌祭実行委の中山豊若(とよわか)実行委員長は「若い世代に祭を知ってもらう良い機会。地元で受け継がれてきた文化を多くの人に体験してほしい」と願っている。

 無料。申し込み不要。同研究所(073・457・7891)。

写真=祭で歌を披露する唐船御船歌連中

(ニュース和歌山2015年10月17日号掲載)