南海本線和歌山大学前駅開業3周年を記念し、和歌山大学紀州経済史文化史研究所は特別展「南海鉄道旅客案内」を和大とイオンモール和歌山の2会場で開き、鉄道の今昔を振り返る。展示を担う菅原真弓准教授は「鉄道は市民の足であるだけでなく、和歌山や沿線をにぎやかにしてくれた。展示を通じて懐かしさを感じながら、魅力を思い起こしてほしい」と呼びかけている。

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 南海電鉄は日本で最も古い歴史を誇る私鉄で、1885年創業の阪堺鉄道が前身。合併を続けながら路線を拡大し、終戦後の1947年に「南海電気鉄道」が新発足した。 展覧会は2会場で開催する。10月26日(月)から始まる和大では、1899年刊行の地誌『南海鉄道案内』はじめ、現在までの沿線のパンフレットや記念乗車券の実物、南海ビルディング(現大阪髙島屋となんば駅)の竣工写真などを展示。菅原准教授は「パンフレットはいずれもデザイン性が高く、広報に力が入っている。地域別や四季に分けて沿線の魅力を立案し、具体的に乗客を楽しませる作り方をしてきたのが分かります」。

 11月3日(火)からのイオンモール会場では、子どもたちにも親しんでもらおうと、ラピートなど7車両の鉄道模型と南海沿線のジオラマ、車窓から見える風景の上映、明治時代に使われた実物のレール展示と盛りだくさん。和歌山大学前駅とイオンモールができるまでをパネルで振り返る。

 

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 和大会場は附属図書館3階で10月26日~11月27日(金)、午前10時半~午後4時、土日祝と20日(金)休み。イオンモール会場は3階イオンホールで11月3日~15日(日)、午前11時~午後5時。いずれも無料。

 【関連イベント】車掌の制服を着て写真撮影=11月14日(土)、イオンモール。小学校中学年以下対象▽講演会と駅舎めぐり=15日(日)午前11時、岸和田市港緑町の浪切ホールで講演会。その後、午後1時から大阪歴史博物館の酒井一光学芸員らと浜寺公園、諏訪ノ森、なんば駅を巡り、登録有形文化財の駅舎や非公開の内部を見学。無料。希望者は同研究所(073・457・7891)。

写真上=昭和7年竣工当時の南海ビルディングのホール、=「魅力を知ってほしい」と菅原准教授

(ニュース和歌山2015年10月24日号掲載)