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 和歌山城で和文化を体験してもらおうと、茶人の梅原宗直さん(写真)がわかやま歴史館前で月火金の週3回、抹茶体験を始めた。「ご自身で茶せんを使って点(た)てていただきます。茶道の礼儀作法がなくても問題ありません。茶碗と団子を手にし、天守閣をバックに記念写真を撮ってもらえればうれしいですね」と笑顔を見せる。

 岩出市で和真庵茶道教室を開く梅原さん。和歌山城に近い岡公園内の茶室で男性限定の「吉宗茶会」を企画したり、高野山の恵光院で月2回、抹茶体験を実施したりと、茶道に親しめる場づくりに積極的に取り組む。

 今回着目したのは、和歌山市役所南別館を改修し、9月にオープンしたわかやま歴史館。すぐ前が観光バス駐車場で、平日でも1日に10~20台のバスが訪れる。「せっかくお城に来た方が、和文化にふれられる場を」と土産物店入り口前に畳を敷いて出迎える。

 初日の3日は約30人が体験。ツアーで関西一円を回っていた観光客は「次に京都を訪れますが、和歌山で抹茶体験できて良かった」とにっこり。中国など海外からの観光客も興味津々だ。

 紀州徳川家は、表千家4代江岑宗左(こうしんそうさ)を茶頭に招いて以降、歴代藩主が表千家の茶道を保護してきた。梅原さんは「茶道の歴史がある和歌山に、手軽に楽しめる場所をつくりたかった。抹茶を飲むだけなら紅葉渓庭園内でもできますが、こちらでは自分で点てる体験ができるのが何よりの特徴。地元の方やお子さんも大歓迎です」。

 団子付き1000円。午前9時半~午後4時半。11月17日(火)は休み。申し込み不要だが、団体は要予約。和真庵(0736・67・7442)。

(ニュース和歌山2015年11月14日号掲載)