2015112803_meximin

 祖父がみなべ町出身の日系メキシコ人、寺本アルベルトさん(56)が11月18~20日に和歌山を訪れ、移民関連の施設や資料を調査し、和歌山の交流団体と意見を交換した。アルベルトさんは「来年は日墨(=メキシコ)協会創立60周年で、メキシコに移民資料館を設立します。自分のルーツがある和歌山とメキシコの関係を調べ、両国の絆を深めたい」と望んでいる。

 アルベルトさんの祖父は1908年に弟と同国へ移住。土地を開こんし、トマト農園を営みながら家族を養ってきた。アルベルトさんは同国で生まれ育ち、歯科医師として働くかたわら、和歌山に縁のある日系人をまとめる県人会の会長などを務めてきた。

 今回は日本国内にある移民に関する情報の収集と、資料のデジタルデータ化などのノウハウを学ぶため、国際協力機構(JICA)横浜が運営する海外移住資料館の支援で来日。和歌山市民図書館の移民資料室、美浜町のアメリカ村などを訪ね、19日に和歌山県内で中南米の日系人と親ぼくを深める中南米交流協会の迫間脩さん、那賀移民史懇話会の梅田律子さんに会った。

 梅田さんは米国サンフランシスコに移民した祖父が持っていたスペイン語の辞書を持参し、「カリフォルニアは元々メキシコ領で、相互の関係は深かったと聞きます。辞書の執筆者はメキシコに駐在していた日本人の代理公使。メキシコと和歌山のつながりを感じます」。迫間さんは「個人の交流から、経済的な交流に発展すれば、双方のパイプは太くなる。そういった形を模索したい」と提案した。

 アルベルトさんは「当時の人たちが使っていた辞書はとても貴重です。持ってきてもらえてうれしい」と感激し、「今回の訪問で得た経験やつながりを帰国後に生かしたい」と語った。

写真=辞書を確認するアルベルトさん(左)

(ニュース和歌山2015年11月28日号掲載)