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 恨めしそうに「1枚、2枚~」と皿を数えるお菊の幽霊。「皿屋敷」の一場面だが、「播州皿屋敷」と「番町皿屋敷」では、設定が異なる。雑誌『上方芸能』を発行する木津川計さん(写真)が12月6日(日)午後1時半、和歌山市西高松の松下会館で「一人語り劇場~『番町皿屋敷』異聞」と題し、物語の違いを口演し、なぜ幽霊は女性ばかりなのかに言及する。

 皿屋敷は全国に類似の話が伝わるが、上方では「播州皿屋敷」として歌舞伎、浄瑠璃で演じられてきた。言われのない罪で殺されたお菊が、恨みから幽霊に化けて出る物語だ。

 一方、20世紀に入ってから岡本綺堂が改作した戯曲「番町皿屋敷」は、お菊が主君の気持ちを疑ったことが主君の逆鱗(げきりん)に触れるが、お菊は主君の本心を知ったことで納得して殺される内容。

 木津川さんは両方の話を紹介し、改作が及ぼす影響を分析した上、女性だけが幽霊になる原因を解き明かす。

 500円。希望者は和歌山大学地域連携・生涯学習センター(073・427・4623)。

(ニュース和歌山2015年11月28日号掲載)