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 女性の社会進出が抱える問題とその解決策を、和歌山信愛高校(和歌山市屋形町)2年生が12月11日、和歌山労働局や、働く女性を支援する「女性と地域活性推進機構」の職員らを前に同校で発表した。文部科学省が行うSGH(スーパーグローバルハイスクール)アソシエイト研究プログラムの一環。B組の樋上まこさんは「自分で課題を発見するのが大変だった。少子高齢化、孤独死が問題になっているので、地域のつながりを大切にした解決策を提案しました」と笑顔を見せていた。

 社会の課題に早くから関心を持たせ、国際的に活躍できる人材の教育を支援するSGH事業。同校は今年度、SGHの準指定校に認定され、1年生は防災や地域医療など、2年生は女性の社会進出をテーマに5月から研究に取り組んでいる。

 11日は校内の投票で選ばれた8班が発表した。「父親の育児休暇取得率を上げるため、企業が派遣社員を一時雇用する制度の導入を」「母親が働きに出られるよう、地域で保育する高齢者を紹介する」といった、女性がより働きやすくなる対策を提案した。H組の住江侑香里さんは「研究を通じて、社会ではアイデアを出す力が必要になると学びました」と話していた。

 講評者として、インターネット上のテレビ電話で聞いていたグーグルの藤本あゆみさんは「高校生とは思えない素晴らしい内容ばかり。発表した未来はこれから皆さんでつくっていく。小さいことでも自分でできることを少しずつ実践してください」と語った。

 大村寛之教諭は「自ら社会の意識を変えようとする気概を持ってもらいたい。研究で身につけた力を役立て、どんな場所でも楽しく暮らせる工夫ができる女性になってほしい」とエールを贈った。

写真=投票で選ばれた8班が解決策を語った
(ニュース和歌山2015年12月19日号掲載)