応援したい都道府県や市町村に寄付することで、税の控除が受けられ、自治体によってはお礼の品(返礼品)がもらえるふるさと納税。そのお得さから利用者が年々急増しているため、各自治体は少しでも寄付を集めようと、品ぞろえを増やすなど返礼品のリニューアルに取り組んでいます。ふるさと納税ブームが加速する今、編集部が注目する県内の返礼品を紹介します。

 

海南市 くろさわ牧場 濃厚プリン

 菓子の神様、田道間守(たじまもり)をまつる橘本神社がある海南市ではスイーツの返礼品が豊富。備長炭のバウムクーヘンやみかんのロールケーキなど菓子だけでも約20種類ある。注目はくろさわ牧場のプリンで、放牧牛の生乳で仕上げた真っ白なミルク味と、チーズケーキのように濃厚なミルクチーズ味の2種類。各5個入り10個セットを、1万5000円以上の寄付でもらえる。

海南市企画財政課(073・483・8410)

 

田辺市 語り部と歩く熊野古道の旅

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 1泊2食付きのペア宿泊券と、熊野古道を語り部と歩くツアーがセットになった田辺市の返礼品「熊野古道の旅」。年間の寄付額5万、8万、10万円以上の3プランあり、10万円以上のプランには真砂(まなご)充敏市長自らが語り部になる。山伏装束を着て全国で出張講座を開くほど熊野に詳しい名物市長の案内を楽しめる。

田辺市たなべ営業室(0739・33・7714)

 

有田市 市長が選ぶおすすめ本3冊

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 有田みかんにしらす、なれ寿司と特産品が並ぶ中、ひそかな人気を集めているのが、読書好きの望月良男市長が選ぶおすすめ本。その人の性別と年齢から判断し、市長が今まで読んだ本の中から選りすぐりの3冊を贈る。昨年4月〜11月の申し込み者は10人。ノンフィクション本『フェルマーの最終定理』や小説『旅屋おかえり』など幅広いジャンルの本を贈った。1万円の寄付で3冊贈呈。  
有田市総務課(0737・83・1111)

 

橋本市 サマーボールの花火玉

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 「子どものころ見ていた夏祭りの花火を、遠くに行っても思い出して」。そんな橋本市の願いがこもった返礼品が、地元の花火大会「紀の川橋本サマーボール」で打ち上がる花火玉のレプリカ。花火師の手製で、火薬の代わりに砂を入れている。希望者には名前やメッセージを毛筆書きする。1万円の寄付で1個。このほか、同市では墓の清掃代行など「ふるさとを大切にしてほしい」思いがこもった返礼品がそろう。

橋本市商工観光課(0736・33・1111)

 

高野町 宿泊が割引になるクーポン

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 弘法大師にゆかりのある土地の地場産品をお礼の品にしている高野町。みかんや南高梅、近大マグロなどのほか、京菓子や讃岐うどんも取りそろえる。一番人気は宿坊など高野町での宿泊料が割引になるクーポン。昨年4月〜11月で700件の申し込みがあった。旅行会社と提携して発行しており、寄付金の約半額が旅行代金から割り引かれる。

高野町企画公室(0736・56・3000)

 

 

ふるさと納税って?

  地方と都会の税収格差を埋めようと2008年に始まった寄付金制度。応援したい自治体に寄付することで、寄付額から2000円を差し引いた額が、その年の所得税と、翌年の住民税から控除される。

 実質2000円の負担で、自治体によっては肉や米などの返礼品が届く。さらに昨年、控除の上限額が2倍になり、サラリーマンは確定申告が不要になったことで利用する人が増加。

 2015年4月〜9月末に和歌山県と県内30市町村に寄せられた納税額は4億1490万円で、前年同時期の約3・2倍に急増している。

 (※ふるさと納税、及び返礼品の制度は、各市町村により在住者は利用できない場合があります)。

(ニュース和歌山2016年1月1日号掲載)