来春 農林大学校へ改編

 農家後継者に栽培技術を指導してきたかつらぎ町中飯降の県農業大学校が来春、アグリビジネス学科と林業研修部を新設し、名称を「県農林大学校」に変更する。ここ2年は農家以外の学生が6割を占め、生産から加工、販売に至る6次産業化をにらみ、農業経営ができる人材を育成する。

 2年制の専修学校で、現在は養成部門園芸課程に果樹、野菜、花きの3コース。来年度から養成部門を農学部とし、園芸学科とアグリビジネス学科を置く。園芸学科は栽培技術の実習が中心。アグリ〜の1年次は園芸学科と共に実習を行い、2年次は加工、販売演習、労務、財務管理、輸出戦略やウェブ販売など農業経営を念頭に置いた科目を設ける。

2016108_anpo これまでも、トマトや柿の加工実習、簿記、外部講師によるマーケティング講義があり、それらをさらに充実させる。一部の講師は、和歌山大学が今年創設した食農総合研究所から招く。

 卒業すれば短大卒と同等の専門士資格を得られる。県は「経営に必要な知識を身につけ、農業で安定収入を得られるように」と描いている。

 一方、林業研修部は上富田町生馬の県林業試験場に置き、新たに林業に就きたい人を対象に1年制の林業経営コースを設ける。修了後は緑の雇用事業により就労可能。研修扱いのため修了で得られる資格はないが、クレーンやチェーンソーなど資格取得を支援する。

 農学部推薦入試と林業研修部の前期募集は17日(月)〜31日(月)。農学部は同大学校(0736・22・2203)、林業研修部は県林業振興課(073・441・2960)。

(ニュース和歌山2016年10月8日号掲載)