移転する伏虎中学校跡地に計画中の新和歌山市民会館について、和歌山市は12日、施設計画案を明らかにした。4階建てで、外観にガラス面を多く取り入れて中の様子が分かるようにし、開かれた館をアピールする。市は「芸術文化を市民がつくり出して発信し、市内外や海外と交流できる拠点。ぶらっと訪れたくなる場所」と位置づけ、にぎわいを持たせたい考えだ。

 新市民会館は、けやき大通り側のグラウンド部分6500平方㍍に67億円かけて建設。1階に1000席の大ホールと展示室、レストラン、2階は400席の小ホール、練習室、4階に会議室、和室を配置し、屋上には庭園やミニステージを設ける。1階展示室は建物前広場に向け開放でき、広場と一体的な運用を視野に入れる。

2016111904_siminn 外観は3案を軸に検討。A案は城下町を意識しつつ、紀州材を活用した現代風、B案は同地に存在した和歌山高等小学校の三角屋根を取り入れた和風、C案は城周辺の緑地との連続性を重視し、各階バルコニーに植栽する。

 市はこれまでに音楽、演劇、茶道、日本舞踊などの関係団体や高校生、地元住民から活用法について提案を受けた。内容を吟味した上、来年度には実施設計に入り、2021年春の開館を目指す。市は芸術、文化に関心がある人はもちろん、屋上庭園からお城を見ながらゆったり過ごす人にも楽しんでもらえる会館にする方針だ。

写真=各階にバルコニーを植栽し、緑を重視したC案

(ニュース和歌山2016年11月19日号掲載)