fukko 来年4月に開校する小中一貫校「伏虎義務教育学校」の教育方針が明らかになった。小学生、中学生年代が互いに交流しやすい体制を整え、郷土学習や英語、理数科目を充実させるもので、和歌山市教育政策課の南敏博課長は「県内の公立校で初めて小中一貫教育を実施する。新しい取り組みが他校のモデルになるように」と願っている。

 同校は伏虎中学校と、本町、城北、雄湊の3小学校が合併し、現在の城北小と、隣接する城北公園の敷地に開校する。学年は、1〜4年の基礎・基本定着期、5〜7年の充実期、8・9年の発展期の「4・3・2制」とする。5年生からは一部科目で教科担任制を導入し、専門性の高い教育を行う。また、5〜7年生をまとめることで、中学校に進学する際に人間関係や勉強面で悩みを抱える中1ギャップの解消を図る。

 教科では、地元にこだわった「わかやま創造科」を新設し、地域の歴史や文化を学ぶ。また、1年から英語の授業を行い、英語に触れる機会を増やす。さらに、実験・観察の実習を数多く実施し、電子黒板を活用して理数教育を充実させる。これらを3本柱とし、子どもたちが学びを深める力、交流し高めあう力、意見を伝える力を養う。

 校舎は、小学生年代と中学生年代が同じ階で学べるよう教室を配置し、中学生向けに体育館、武道場を新設。これまで伏虎中で体育祭は行われていなかったが、運動会を全校で実施する。また、クラブ活動は、伏虎中のクラブを移行する。

 南課長は「5年生から中学生年代と一緒に活動できるクラブもある。校舎は児童、生徒が交流しやすい構造になっており、学習、部活動の合同発表会など、地域とのふれあいも含めて新しい取り組みができる」と考えている。

(ニュース和歌山2016年11月26日号掲載)