体操の田中佑典選手らリオデジャネイロ五輪に出場した県関係の3選手とふれあう「わかやまスポーツフェスティバル」(県スポーツ振興財団ほか主催)が17日、和歌山市手平のビッグウエーブで開かれた。3人は集まった約200人を前に、五輪で戦った際の心境や裏話を披露した。

rio 参加したのは田中選手、フェンシングの西岡詩穂選手、セーリングの宮川惠子選手。田中選手は男子団体決勝を振り返り、「前日の夜は案外、眠れました。決勝は夕方からだったので、当日昼ぐらいまでぐっすり。体の状態はパーフェクト、気合いも十分で会場入りできました」。結果、見事な演技で金メダル獲得に貢献。「プレッシャーの中、もう一度やれと言われてもできないような演技ができたと思います」と笑顔を見せた。

 女子フルーレでベスト16入りした西岡選手は、北京五輪銀メダリストを破った2回戦について語った。「試合では名前を呼ばれてから前に出るんですが、相手選手はまだ呼ばれていないのに出てしまった。それを見た時、『私の方が緊張していない』と分かり、メンタル面で有利に戦えました。私の人生でベスト3に入る良い試合でした」

 治安の悪さも話題になったリオ。宮川選手は「宿泊場所から試合会場まで歩いて10分の間、機関銃を持った人が100㍍おきにいました」。また、閉会式について、「雨が降る中、会場の外で待たされている時、緑色の大きな植木鉢みたいなものがあり、日本人がそれをふいていた。『何だろう』とみんなで話していたら、その後の式でそこから安倍マリオが登場してびっくりしました」。

 トーク後、田中選手に花束を手渡した山東小6年の丸石凜さんは「握手してもらい足が震えましたが、うれしかった。休みの日も練習したり、体のケアをしているとの話が印象に残りました」と目を輝かせていた。

(ニュース和歌山2016年12月24号掲載)