第二阪和国道が全通し、京奈和自動車道が阪和自動車道に接続する2017年。大阪や奈良方面への外出が便利になる一方、地元和歌山では紀の川市でフルーツ、海南市で菓子をテーマにした催しが開かれます。教育分野では県内公立学校初の小中一貫校となる伏虎義務教育学校が開校します。

20170101_2zu

3月 紀の川市を満喫 フルーツ博覧会

20170107_2b 収穫体験や果物にちなんだ手作り品ワークショップ、ジュース工場を巡るバスツアーなど60以上のイベントが楽しめる「紀の川フルーツ体験!ぷるぷる博覧会」が3月5日(日)〜4月9日(日)、紀の川市全域で催される。イチゴや柿、桃と地元の多彩な果物でまちをアピールする市民団体、フルーツ・ツーリズム研究会主催。初日は同市西大井の市役所で「ぷるぷるフェスティバル」を開き、果物がモチーフの小物作り教室や、フルーツを使ったアイデア商品の販売などを行う。

写真=2015年に開いたプレ・フルーツ博

 

3月 紀北筋駆けるサイクリング

20170101_2c サイクリング王国和歌山を目指し、県が「わかやまサイクリングフェスタ」を3月26日(日)に開く。県内外から約600人の自転車愛好家が集まる予定。県が2014年度から整備を進めてきた自転車専用道路をメーンに走る。親子で参加できる紀の川河川敷の10㌔、海南市、紀美野町、紀の川市を巡り和歌山ラーメンなどを味わう60㌔、紀美野町や世界遺産の高野山、かつらぎ町の丹生都比売神社、紀の川市と高低差の激しい道を駆ける160㌔と、初心者から上級者まで楽しめる3コースがある。

 

 3月 国民文化祭へキックオフ

 全国から文化、芸術に携わる人が集まる「国民文化祭」。県は2021年の和歌山開催を目指し、3月18日(土)にキックオフイベントを県民文化会館で開く。

 合唱、オーケストラ、演劇の舞台芸術や、俳句や書、絵画などの関係者が一堂に会する文化祭。毎年、秋に2週間〜1ヵ月間、開催県の各地でイベントが行われ、出演者、関係者らで2万人、延べ来場者数は100万人を超える。和歌山では、新宮県、田辺県と合併して現在の和歌山県が誕生してから150年となる2021年に開こうと、県が誘致を進めている。

 キックオフイベントは講演会、文化団体の発表を予定。初開催に向け機運を高めていく。

 

3月 第二阪和国道 全線開通 京奈和 和歌山市まで延伸

20170101_2a 和歌山市と大阪府堺市の53㌔を結ぶ第二阪和国道。1963年に事業がスタートし、和歌山市〜阪南市の20・6㌔は国道26号の慢性的な渋滞対策を目的に88年、事業化された。堺市〜阪南市の工事は既に完了。一方、和歌山側は、2003年に和歌山北バイパスと呼ばれる元寺町〜大谷が開通したのが最初で、2015年9月に平井まで延びた。残る平井〜岬町淡輪の7・6㌔区間は、3月末に開通予定。事業化から実に54年かかって全線がつながり、和歌山市中心部から大阪へのスムーズな移動が期待される。

 京奈和自動車道は和歌山、奈良、京都を結ぶ120㌔で、県内では06年に橋本〜高野口が開通したのを皮切りに、15年9月には岩出まで延伸。和歌山市までの6・5㌔区間が3月につながる。これにより、粉河加太線ほか一般道路の渋滞緩和を見込む。なお、和歌山市では一般道から京奈和自動車道に直接出入りできず、阪和自動車道の和歌山北ICと阪南IC間に設けられる和歌山ジャンクションで接続される。

写真=岬町深日ランプ付近で進む工事(浪速国道事務所提供)

 20170101_3zu

 4月 伏虎義務教育学校が開校

20170101_3a 小中一貫教育を行う和歌山市の「伏虎義務教育学校」が4月、城北小学校と城北公園の跡地に開校する。伏虎中学校と、本町、城北、雄湊の3小学校が合併。従来の6・3制を見直し、1〜4年を基礎・基本定着期、5〜7年を充実期、8・9年を発展期とする4・3・2制を取り入れる。開校時は9学年約640人が通う予定で、小中学生年代が交流しやすいよう校舎や教室の配置を工夫。郷土学習課目として「わかやま創造科」を新設、1年生から英語の授業を行うほか、理数系を充実させる。また、学習や部活動の合同発表会を通じ、地域とふれあう機会を設ける。

 

4月 猫殺処分ゼロ目指し新条例

20170101_3b 猫の殺処分ゼロを目指し、野良猫へのエサやりの規制や認定を受けた猫を地域で飼育する「地域猫」制度を盛り込み、一部改正した県動物愛護管理条例が4月1日に施行される。

 飼い主の明確化や室内での飼育に努めること、飼い猫以外へのえさやりのルールを示し、地域猫の不妊去勢手術への助成金を設ける。違反者には罰則を科す。

 県は2015年の改正案発表から議論を重ね、昨年は冊子の作成やセミナーを行い、条例の周知を進めてきた。県内で年間約2500匹殺処分される不幸な命。新ルールによる減少に期待がかかる。

 

4月 海南市で初のお菓子まつり

20170101_3c 地元の特産品で海南市の活性化に奮闘する市民グループ「鱧(はも)の街・菓子の街 海南プロジェクト」が「かいなんお菓子まつり」を4月2日(日)、同市大野中のわんぱく公園で開く。菓子の神様をまつる同市下津町の橘本神社へ全国から菓子業者が銘菓奉納に訪れる菓子祭に合わせて開催。市内外の菓子店によるスイーツ販売、菓子まき、読み聞かせがある。

写真=昨年のプレイベントで行った菓子まき

 

4月 農業経営学ぶ県農林大学校

 農家の後継者に栽培技術を指導してきたかつらぎ町中飯降の県農業大学校が4月、アグリビジネス学科と林業研修部を新設し、県農林大学校として生まれ変わる。近年は、農家以外からの入学者が6割を占め、生産から加工、販売まで統括する6次産業化をにらみ、農業経営に携わる人材の育成を目指す。果樹、野菜、花きの3コースを設けた2年制の養成部門園芸課程を農学部園芸学科に改編し、アグリビジネス学科と合わせて、2学科体制とする。

 一方、林業研修部は上富田町の県林業試験場に置き、1年制の林業経営コースを設置。経営基礎を指導し、また、クレーンやチェーンソーなどの資格取得を支援する。

 

5月 生涯学習拠点新設 ほほえみセンター

20170101_4d 和歌山市北西地区の保健や生涯学習の拠点として、松江の市民テニスコート跡地に、西保健センターや和歌山市民図書館の分館、子育て支援拠点を備えた複合施設「河西ほほえみセンター」が5月にオープンする。

 湊から加太まで8地区の保健業務を担い、母子健康手帳の交付や乳幼児の健診などを行う。図書館は5万冊をそろえ、児童書や子育て世代向けの本を充実させる。

写真=完成イメージ

 20170101-4zu

 夏ごろ 岡公園に江戸期の長屋門

20170101_4a 江戸時代の風情が感じられる旧大村家長屋門の岡公園への移築工事が3月に完了。夏には周辺の整備を終え、一般に披露される。

 門は江戸時代末期、紀州藩士の大村家が現在の県庁近くに、屋敷の一部として建築。19世紀末に和歌山市堀止東へ移された。横幅23㍍、奥行き4㍍の門形式の長屋で、使用人が住んでいたと言われる。

 瓦をしっくいで格子状につなげた「なまこ壁」など重厚な造りが特徴。城下町の風情を伝える貴重な建物だが、2014年夏に取り壊されそうになり、保存を望む声が県と市に多数寄せられ、移築工事を進めていた。

写真=特徴的な壁の長屋門(移築前)

 

10月 マスターズ陸上 28年ぶり国際大会

 国際・全日本マスターズ陸上競技選手権大会が10月27日(金)から3日間、紀三井寺陸上競技場で開かれる。日本マスターズ陸上発祥の地、和歌山での全日本は4回目、国際大会は28年ぶり2回目。18歳以上で5歳刻みに105歳以上の部まで18クラスがある。20ヵ国以上2500人の参加を見込み、60㍍走から5000㍍走までのトラック競技や、走り高跳び、三段跳び、砲丸投げ、ハンマー投げなど全28種目。

 和歌山マスターズの鴻池清司会長は「元気にスポーツを楽しみ、健康寿命を延ばしてほしい」と期待をかける。なお、26日(木)にメキシコ五輪銀メダリストの君原健二らによるシンポジウムを予定する。

 

秋ごろ 海南市役所 新庁舎へ移転

20170101_4c 海南市南赤坂で進む同市役所新庁舎の工事が7月末に終了し、秋に現在の日方から移転する。現庁舎は1965年完成と50年以上が経過し老朽化が進んでいる。さらに、海岸線から近い海抜1・9㍍の場所にあり、南海トラフ大地震が発生した際、津波の被害が予想されることから、現在の場所から東へ約3㌔、海抜約60㍍の高台へ移る。新庁舎は5階建ての旧和歌山リサーチラボ社屋を耐震改修して活用。1階と2階部分は増築する。

 

 海南と紀の川市 市長選や市議選

 2月14日(火)に岩出市議会議員、4月23日(日)に海南市長、12月10日(日)に紀の川市長と同市議会がそれぞれ任期満了を迎え、選挙が行われる。

 海南市長選は昨年12月に現職の神出政巳市長が4期目を目指し出馬することを表明した。神出市長は、海南市議、県議を務め、2002年の市長初当選以降、無投票当選を続けている。一方の紀の川市長選は、旧貴志川町長だった中村愼司市長が、合併後2度の選挙で対立候補を破り、前回は無投票での当選を果たした。

 このほか、県内では田辺市、新宮市、串本町、日高川町、広川町で首長選挙、田辺市、串本町、太地町、印南町で市町議会選挙が行われる。

 

(ニュース和歌山2017年1月1日号掲載)