2017021103_yosida 中小企業の新たなビジネス展開をサポートする和歌山市の「クラウドファンディング活用支援事業」第1号に1月、同市で居酒屋と酒販店を営む吉田が認定された。オール和歌山素材のクラフトビール造りを進めており、開発の資金集めに必要な初期費用の一部を和歌山市が補助する。和歌山市産業政策課は「吉田を事例に、他の企業もクラウドファンディングの活用で『新たなことに挑戦できる』と思ってもらい、事業活性化のきっかけになれば」と語る。

 実現したい新規事業とものづくりやサービスにかける思い、実現するのにかかる費用などをインターネットで公開し、主旨に共感した不特定多数の人が小口で出資するクラウドファンディング。新たな資金調達の方法として注目されており、和歌山市は投資型のクラウドファンディングを活用して第2創業に挑む中小企業を支援し、産業の活性化を図ろうと、ファンドの立ち上げにかかる初期費用の一部を補助する事業を平成29年度始めた。

 和歌山市十一番丁の居酒屋、和歌山麦酒醸造所三代目に醸造所を構える吉田は、2016年から3種類のビールを造る。人気が高く、「より和歌山らしさを感じられるビールを手掛けたい」と全て和歌山の素材を使ったクラフトビールの開発に踏み切った。原料となるホップを和歌山県内で栽培し、みかんやゆず、じゃばらなどの柑橘類と高野山の水を使用する構想で、研究を進める。全国に向け、和歌山市で新たなクラフトビールが生まれようとしていることのPRを兼ね、クラウドファンディングの活用を考えた。

 クラウドファンディングで設備費や開発費など計526万円の出資を募ったところ、2日半で155人が賛同し、目標額を達成。吉田友之社長は「共感してくれた人たちの期待が大きく、良い意味でプレッシャーを感じています。和歌山市に来てもらうきっかけになるような、和歌山の風土を感じるビールにしたい」と意気込んでいる。

写真=醸造所でオリジナルのビール造りに挑む吉田さん

(ニュース和歌山より。2017年2月11日更新)